自治会総務担当の佐藤です。
役員の皆さま、地域に伝わる古い「理念」や「会則」が、単なる紙切れになってしまっていると感じることはありませんか……。
わが自治会にも、初代会長が遺したという一枚の「趣意書」がございます。
それは四十年前、この街が生まれたばかりの頃に書かれたものですが、あまりの達筆さと文字の薄れにより、今では誰も判読することができずにおりました。
「大切なことが書いてあるはずだ」とは皆が口にしますが、いつしかそれは自治会館の壁に貼られた、ただの装飾の一部になってしまっていたのです。
「この文字の奥に何があるのか、一度だけでも知りたい……」
そう思った私は、スマホのカメラを使い、AIの「魔法の目(OCR)」を借りてみることにしました。
教わった通りに画面をかざし、AIに「この文字を、今の言葉として書き起こしてほしい」と頼んでみました。
すると、どうでしょう……。
画面の中に、崩れた筆文字が一つひとつ、鮮明な「言葉」として現れ始めたのです。
そこには、こう書かれていました。
『この街は、単なる住宅の集まりではない。子供たちが道ですれ違う大人に笑顔で挨拶し、大人たちがそれを温かく見守る。そんな、心の通う故郷にするために、私たちはここに集まったのである』
その言葉を目にした瞬間、役員会の会場がしん、と静まり返りました。
私たちはいま、デジタル化や効率化といった「目の前の課題」にばかり追われていましたが、本来私たちが目指すべき場所は、四十年前からこの一枚の紙の中に示されていたのです。
AIというのは、決して冷たい機械ではありませんでした。
むしろ、時が経って読み取れなくなった「先人の熱い魂」を、現代の私たちに届けるための、優しい翻訳機なのだと感じました。
最新のデザインや便利な機能も大切ですが、その土台にあるのは、こうした「街への想い」なのですね。
読み取れた趣意書は、今度の日曜日の回覧板で、現代の言葉として皆さまにお届けするつもりです。
皆さまの周りにも、読めなくなった大切な「想い」が眠っておりませんか。
それはきっと、今の私たちに道を示してくれる、大切な羅針盤になるはずです……。
自治会AIお助け隊 佐藤

