皆様、こんにちは。自治会の総務を担当しております、佐藤と申します。
早いもので、今年ももう半分が過ぎようとしていますね……。窓の外からは、夕暮れ時になると虫の声が聞こえてくるようになりました。そんな静かな時間、私はようやく最近、大学生の娘に教わりながらギターを始めまして……。これがなかなか、思うように指が動かないものですね。娘には「お父さん、力みすぎだよ」と笑われてしまいますが、コツコツと練習を続けております。
さて、ギターもそうですが、私がこの一年ほど、コツコツと向き合ってきたことがもう一つございます。それは、自治会の面倒な事務作業に「AI」というものを取り入れることです。
パソコンが大の苦手だった私が、なぜAI……いわゆる「ChatGPT」などという新しい道具を使うようになったのか。そして、そのおかげで日曜日の夜の憂鬱がどのように晴れたのか。少し長くなりますが、同じように自治会の仕事で肩を落としている皆様へ、私の経験をお話しさせてください。
1. 日曜日の夜、溜まったメモを前に途方に暮れる日々
自治会の総務という役割は、想像以上に書くことが多いものですね。定例会の議事録、役員会の報告書、回覧板のお知らせ……。特に議事録は大変です。
会議中は必死にメモを取りますが、後で見返すと自分の字が汚くて読めなかったり、誰が何を言ったのか分からなくなったり……。結局、録音した音声を聞き返しながら、パソコンの前で数時間もうなり続けることになります。
私の家では、日曜日の夜がその作業時間でした。家族がテレビを見て笑っている隣で、私は眉間にしわを寄せてキーボードを叩く……。せっかくの休日なのに、心休まる暇もありませんでした。
「佐藤さん、議事録まだかな」
役員の方からのそんな何気ない一言も、当時の私には重荷に感じられてなりませんでした。そんな私を見かねたのか、ある日、ギターを教えてくれている娘がこう言ったのです。
「お父さん、そんなに苦労するなら、AIに下書きを作ってもらえばいいじゃない。メモを投げ込めば、ちゃんとした文章にしてくれるよ……」
最初は半信半疑でした。パソコンの操作さえおぼつかない私に、そんな魔法のようなことができるはずがない……。そう思っていたのですが、娘に教わりながら恐る恐る触ってみたのが、私とAIの出会いでした。
2. 私の心強い助手、AIとの出会い
最初にお伝えしておきたいのですが、私は今でもパソコンが得意になったわけではありません。専門用語を聞くと頭が痛くなりますし、カタカナ文字は苦手です。
ですので、私はAIのことを「ChatGPT」という名前ではなく、「とても物知りな、仕事の早い助手さん」だと思うことにしました。
この「助手さん」に、会議の断片的なメモを渡して、「これを綺麗な議事録に整えてください」とお願いする……。たったそれだけのことで、私の自治会生活は劇的に変わりました。
最初は、うまくお願いができなくて、変な敬語の文章が出てきたり、内容が省略されすぎたりして、結局自分で書き直すこともありました。でも、ギターと同じですね。少しずつコツを掴んでいくうちに、この助手さんへの「お願いの仕方」が分かってきたのです。
今回は、私が何度も失敗を繰り返してたどり着いた、議事録作成の時間を半分にするための中級編の「お願い」の方法を、皆様に共有したいと思います。
3. 実践:AIへの「お願いメモ」で議事録を自動で作る
AIを使う際に最も大切なのは、「AIへのメモ(専門用語ではプロンプトと言うそうですが、私はメモと呼んでいます)」の書き方です。
ただ「議事録を作って」と頼むだけでは、こちらの意図は伝わりません。まるで、新人の役員さんに「いい感じに資料を作っておいて」と丸投げするようなものですからね……。それは困らせてしまいます。
そこで、私は以下のような「お願いのテンプレート」を作りました。これをコピーして、中身を書き換えて使うだけで、驚くほど整った議事録が出来上がります。
操作画面(インターフェースというそうです)の入力欄に、以下の文章を貼り付けてみてください。
そのまま使える「お願いメモ」の例
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あなたは、地域自治会の優秀な事務局長です。
以下の「会議の断片的なメモ」をもとに、住民の方々に配布するための「定例会議事録」を作成してください。
【作成のルール】
・言葉遣いは丁寧で、高齢の方でも読みやすい表現にしてください。
・「決定事項」と「今後の課題」を明確に分けてください。
・箇条書きを活用して、視覚的に分かりやすく整えてください。
・時候の挨拶は不要です。
【会議のメモ】
(ここに、あなたが会議中に取ったメモや、録音から書き起こした断片的な文章を貼り付けます)
例:
・5月20日 19時から 公民館
・出席者:佐藤、田中、鈴木、高橋、伊藤
・議題1:夏祭りの開催について。8月5日に決定。場所は小学校校庭。
・予算は去年と同じ。ただし、電気代が上がっているので、提灯の数を少し減らす案が出た。
・議題2:ゴミ置き場のカラス対策。ネットが破れている。
・鈴木さんが新しいネットを買ってくれることになった。領収書は会計の田中さんへ。
・議題3:防犯パトロールの当番表。来月分を回覧板で回す。
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このように、自分の役割(事務局長)を与えて、ルールを細かく指定してあげるのがコツです。
4. 失敗から学んだ「中級者」へのステップ
実は、ここまでお話ししたことは「初級編」に近いかもしれません。私が「これは便利だ……」と確信し、さらに一歩踏み込んだ使い方をするようになった経験をお話しします。
以前、私はAIが作った文章をそのまま信じてしまい、会議で言ってもいないことが書かれているのに気づかず、そのまま役員会に出してしまったことがありました。
「佐藤さん、こんなこと決まったっけ……?」
副会長に指摘された時、冷や汗が止まりませんでした。AIは、情報が足りないと「それらしい嘘」をついてしまうことがあるのですね。これを「幻覚(ハルシネーション)」と呼ぶそうです。恐ろしい言葉ですが、要は「知ったかぶり」をしてしまうのです。
この失敗を経て、私は以下の3つのことを徹底するようにしました。
① AIに「知らないことは書かないで」と念を押す
先ほどのお願いメモの最後に、「メモにない内容は、推測で補わないでください。もし不明な点があれば、そこは空欄にするか、確認が必要である旨を記載してください」と付け加えるようにしました。これだけで、知ったかぶりはぐっと減ります。
② 構成を二段階に分ける
一度に完璧な議事録を作ろうとせず、まずは「要点をまとめてください」とお願いし、その後に「それを表形式にしてください」とか「丁寧な文章に直してください」と、段階を踏んでお願いするようにしました。
③ 自分の言葉を少しだけ添える
AIが作った文章は、どうしてもどこか機械的です。最後に必ず、自分の目で読み直し、地域の皆さんの顔を思い浮かべながら、少しだけ言葉を直します。
「検討することになりました」を「皆で知恵を出し合っていくことになりました」に変えるだけで、温かみが生まれる気がします。
これらの工夫をするようになってから、作業時間は以前の半分……いえ、慣れてくると3分の1くらいまで短縮できるようになりました。日曜日の夜、22時過ぎまでパソコンを叩いていたのが、今では夕食の前に終わってしまいます。おかげで、娘にギターのコードを教えてもらう時間も増えました……。
5. よくあるお悩み……佐藤がお答えします(Q&A)
自治会の仲間の役員さんからも、AIを使っていると言うと、色々な質問をいただきます。私がよく聞かれることをまとめてみました。
Q1. パソコンが苦手な私でも、本当に使いこなせますか?
大丈夫ですよ……。私もキーボードを打つのさえ遅い人間です。AIとのやり取りは、誰かにメールを送ったり、LINEで家族に連絡したりするのとあまり変わりません。丁寧にお願いをすれば、AIは何度でも文句を言わずに書き直してくれます。
Q2. 自治会の内部情報をAIに入れても大丈夫なのでしょうか?
これは非常に大切な視点ですね。私は、個人名は極力入れないようにしています。「田中さん」ではなく「防犯担当役員」としたり、具体的な住所などは伏せたりしています。どうしても個人名を扱う必要がある場合は、AIが作った文章を自分のパソコンに保存した後に、手作業で名前を入れるのが一番安全だと思います。
Q3. お金はかかりますか?
私が使っているChatGPTは、基本的には無料で使えます。より高度な機能を使いたい場合は有料版もありますが、自治会の議事録作成であれば、まずは無料版で十分すぎるほど役に立ってくれますよ……。
6. おわりに……一歩踏み出す勇気が、ゆとりを生みます
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
自治会の仕事は、誰かがやらなければならない大切なことですが、それが原因で自分や家族の時間が削られ、心を病んでしまうのは、あまりにも悲しいことです。
私は、AIという道具を使い始めてから、心に少しだけ余裕が生まれました。その余裕は、会議中に皆さんの意見をより丁寧に聞く姿勢や、地域を散歩する時に道端に咲いている花に目を向ける時間へと変わっていきました。
ギターの練習も、まだFのコード(これが一番難しいのですね……)で苦戦していますが、楽しみながら続けています。指先は少し硬くなりましたが、心は以前より柔らかくなったような気がします。
新しいことを始めるのは、勇気がいりますし、最初は指が動かないギターのように、もどかしい思いをすることもあるでしょう。でも、大丈夫です。コツコツと、自分のできる範囲で少しずつ……。
もし、議事録作りで溜息をついている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、この「助手さん」に声をかけてみてください。きっと、あなたの心強い味方になってくれるはずです。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう……。
佐藤でした。

